1990年代にピチカート・ファイヴのリーダーとして、一時代を築いた小西康陽。現在はDJ界の大物としても知られるが、新型コロナ下で最近おこなった無観客でのDJ配信で強い違和感を覚えたという。
初めて挑んだ無観客DJ。「自分自身が全く盛り上がっていなくて戸惑った。お客さんのレスポンスがあって成立する文化だったと身にしみた」。普段は速いテンポと遅いテンポの曲を半々くらいの割合でかけるが、気分は選曲に反映され、終わってみると約3時間のプレー中、速いテンポの曲はほとんどかけなかったという。
小西は「ライブやクラブは、音楽そのものよりもみんなで集まって跳んだりはねたり声を出したりするところが魅力だった」とした上で「そこに頼っているエンターテインメントはこれから見直される。なくなるもの、淘汰(とうた)されるものはいっぱいあるでしょう」と語る。
一方で、落語やお笑いは直接見なくても、CDやテレビでよく楽しまれていることを引き合いに、「DJやライブの文化も必ずしも生でなければならないわけではなくなるかもしれない。失われる分、別の形で新たなものが生まれてくる」と悲観はしていない。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル