小麦粉やホットケーキミックスなどがインターネット上で高値で転売されているとして江藤拓農相(59)が1日、「極めてけしからん。政府として何らかの対応をする必要がある」などと警鐘を鳴らした。緊急事態宣言で自宅で過ごす時間が増え、パンやお菓子作りの材料の需要が急増。一部スーパーでは品薄状態が続いているが、菅義偉官房長官(71)は、生産体制や備蓄量に問題ないことを強調した。
“おうち時間”にも影響が出てきた。ネット上では2倍以上の値段で転売されることも出てきた小麦粉やホットケーキミックス。江藤大臣は「極めてけしからんことだ。小麦の在庫は十分にある」とピシャリ。買い占めを招くとして「政府として何らかの対応をする必要がある」と警告した。
パンやお菓子を作るために、小麦粉などをいつもより多く買うことで、スーパーでも品薄状態になることが増えている。調査会社のインテージによると、4月13~19日の1週間では、前年と比べて小麦粉が210・8%、プレミックス(ホットケーキミックス、天ぷら粉などの調製粉)が245・5%。香り付けなどのエッセンス類が251・9%、ホイップクリームも205・6%の売り上げになっている。これらは新型コロナウイルスが流行し始めた2月中旬から徐々に売り上げを伸ばし、緊急事態宣言が出た4月に入って前年比200%を超えた。
小麦については、安定供給のため、米国やオーストラリアなどから国が一元的に輸入。農林水産省によると、外国産小麦の備蓄は現在約93万トンあり、国内需要の約70日分に上るという。江藤氏は、製粉メーカーも供給体制を強化していると指摘し「転売により、足りていないのではという誤った不安をあおることになる」と懸念を示した。
また製パン大手の「フジパン」(名古屋市)は「専門のセクションにも聞いたが、今のところ影響はない」、「第一屋製パン」(東京・小平市)も「量は確保できている。農産物なので天候などに左右されることはあるが、今回のコロナ関連での影響はない」と話した。
菅官房長官は「メーカーは連休中もフル稼働で生産、供給すると聞いている」と強調し、落ち着いた購買行動を呼びかけた。マスクは転売などによって品薄状態が続いたこともあって、3月に政府が転売を禁じた。現時点で小麦粉などの転売は禁止されていないが、今後の生活にも影響が出そうだ。
報知新聞社
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