名古屋市立小学校の5年生の男子児童が、複数の同級生からの要求で自宅から現金を持ち出していたと、市教育委員会が2日発表した。総額10万~20万円にのぼる可能性があるという。学校から報告を受けた市教委は当初はいじめの「重大事態」と認定しなかったが、2日になって認定すると明らかにした。これを受けて市教委は今後、第三者機関の「市いじめ対策検討会議」に事案を報告する方針。
市教委によると10月上旬、男子児童の保護者から「貯金箱からお金がなくなっている」と学校に相談があった。学校が調べたところ、この男子児童が8~10月、500円玉を入れている自宅の貯金箱から硬貨を持ち出していたという。
持ち出した金は同級生の男子6人と商業施設でのゲームやフードコートでの飲食などに使ったといい、同級生は男子児童に「(金を)持ってこないと遊ばない」「お金ちょうだい」と言ったという。持ち出した金額の詳細はわかっていないというが、10万~20万円にのぼる可能性があるという。
学校は一連の行為を「いじめ」と認定し、10月中旬に「重大事態の可能性がある」と市教委に報告。しかし、その後に同級生らが男子児童に謝罪したことなどから、市教委は重大事態と認定しなかった。だが12月2日になって「男子児童の保護者が謝罪を受け入れていないことがわかった」として、重大事態に認定することを決めた。市教委の担当者は2日の会見で「学校との情報共有が不十分だった」と陳謝した。
愛知県警によると、被害児童の関係者から10月に金銭トラブルに関する相談が寄せられたが、被害届は出されなかったという。県警は「捜査結果は答えられない」としている。(浦島千佳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル