少年事件、「特別保存」の7件調査 光市母子殺害、西鉄バスジャック

 神戸連続児童殺傷事件など重大な少年事件の記録が捨てられていた問題で、最高裁は13日、保存期間後も捨てない「特別保存」に指定され、今後の調査対象とする少年事件7件の内訳を明らかにした。今後、特別保存とされた経緯などを調べる。

 7件は、山口県光市で起きた母子殺害事件(1999年)▽西日本鉄道の高速バスを乗っ取り、乗客3人を死傷させた事件(2000年)▽宮城県石巻市で元交際相手の姉ら3人を殺傷した事件(10年)▽名古屋大の女子学生が14年に知人女性を殺害し、高校生時代の12年には同級生ら男女2人に硫酸タリウムを飲ませて殺そうとした事件など。

 これら7件のほかにも、最高裁は報道機関から問い合わせがあった廃棄済みの52件の少年事件については、廃棄の経緯を調べることを決めている。52件には、長崎県で起きた小6女児の同級生殺害事件(04年)▽奈良県田原本町で母子3人が死亡した放火殺人事件(06年)▽京都府亀岡市で無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み、10人が死傷した事故(12年)――などが含まれるという。(根岸拓朗)

「特別保存」されている7件の少年事件

・1999年、山口県光市で母子を殺害した事件(光市母子殺害事件)

・2000年、西鉄高速バスを乗っ取り乗客を殺傷した事件(西鉄バスジャック事件)

・00年、母親を金属バットで殴って殺害した事件。保護観察を終えた後、05年に大阪市で姉妹を殺害した

・10年、宮城県石巻市で元交際相手の姉ら2人を殺害し、1人に重傷を負わせた事件。裁判員裁判で少年に言い渡された死刑判決が初めて確定した

・13年、三重県朝日町で中学3年生の女子生徒にわいせつ行為をしようとして死亡させた事件

・12年に同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませ、名古屋大生だった14年には知人の高齢女性を殺害した事件

・15年に兵庫県尼崎市で技能がないのに車を運転して死亡事故を起こした事件。2度にわたり検察官に逆送されて起訴されたが、最終的に家裁で少年院送致が決まった

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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