日本で就職を希望する外国人留学生に情報を届ける機会をつくろうと、愛知労働局などが合同企業説明会を開いた。中部9県を対象にした説明会は初めてという。言葉や慣習の違い、情報の不足が職を求める留学生と人手不足に悩む企業側の双方にとって「壁」となっており、ミスマッチを解消して両者を結びつける狙いもある。
3月19日、名古屋市中村区の「ウインクあいち」の会場は、黒のリクルートスーツ姿に身を包んだ留学生が目立った。中部地方に働き口のある建設、介護、飲食などの企業約50社がブースを構え、ミャンマーやフィリピンなど出身の大学生や日本語学校生ら171人が、関心のあるブースを回っていた。
フィリピン出身のタギアム・ジョイ・アネット・シェル・ナラグさん(26)もスーツ姿で熱心に話を聞いた一人。今春、通っていた日本語学校を卒業した。企業説明会に訪れるのは初めてで、これまで企業のことを知る機会はなかったという。「言葉の問題もあるし、知らない仕事もたくさんある」
志望するのは接客業界。実際にブースを回ってみて、ホームページに載っていない仕事内容や、企業の福利厚生を知ることができたという。「もっと前から企業説明会に行けばよかった。こういう機会は本当に助かります」
出展した企業側も熱が入る。高山グリーンホテル(岐阜県高山市)の採用担当者は、「宿泊業界全体が人手不足で、さらにインバウンドが戻ってきた」と話す。コロナ禍で減った外国人観光客が昨年4月ごろから徐々に戻り、多様な言語や文化に対応できる人材を求めていた。高山エリアではこうした外国人材対象の説明会の機会はなく、今回の出展にもつながった。
説明会を主催したのは愛知労働局などで、人手不足に悩む企業側と、日本での就職を希望する留学生側をつなげようと企画された。
文部科学省によると、202…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル