【#withyou ~きみとともに~】
これまで何千人もの女性の生きづらさに向き合ってきたNPO法人「BONDプロジェクト」代表の橘ジュンさん(48)は、多くの悩みの背景には「居場所を求める」不安があると言います。自分の居場所がないと感じる女の子に、橘さんは「新しい関係を作るために踏みだそう」と語りかけます。自分の居場所にどうやってたどり着くのか。困難にあい、橘さんの元で居場所を探す18歳の女性(Aさん)とともに、話を聞きました。(朝日新聞大阪社会部記者・山根久美子)
【マンガ】「こころ」がしんどい時、逃げ込める場所は…夜廻り猫が描く「居場所」
<橘ジュン(たちばな・じゅん)>
1971年生まれ。ルポライター。2009年、NPO法人BONDプロジェクトを設立。繁華街の「夜回り」やメール、ライン、電話で少女たちの話を聞き、必要に応じて一時的に保護したり、医療機関や警察、行政につないだりする活動を続ける。
繁華街、居場所求めて集まる子たち
――BONDプロジェクトを始めたきっかけを教えてください。
橘さん:元々ライターとして夜の繁華街にいる女の子たちの声を取材していました。死にたい、消えたい、寂しい。そんな生きづらさを抱える彼女たちの声をありのままに伝えることで、何かが動けばという気持ちからです。でも取材で彼女たちの話に耳を傾けるうち、聞いて終わりにできなくなってきて。それが今の活動につながっています。
――女の子たちの生きづらさの根底に共通するものはありますか。
橘さん:どこにも居場所がないという思いじゃないかな。家や学校、職場で何かトラブルがあって、居場所がないと感じる。だから寂しい。そんな時、夜の繁華街はいつまでも明るくて寂しくない感じがする。だから居場所を求めて集まる子が多いんだろうね。
――「居場所がない」という女の子へのアドバイスは?
橘さん:居場所は自分の作る人間関係から生まれるものだと私は思っています。人間関係は与えられるものでなくて作るもの。だから今の人間関係に不満があるなら、新しい関係を作るために行動するしかない。親がひどい、周囲が変わってくれない、だから居場所がない。本当にひどいんだと思う。でもそう感じるなら、自分で居場所を探して行動してみるのはどうかな。自分の力で新しい居場所にたどり着けるかもしれないよ。
――自分の力では解決できない深刻なケースの場合はどうすれば?
橘さん:自分だけで動けない時は児童相談所や周囲の大人を頼ってほしい。ただし大人の選び方には気をつけて。夜の街やSNS、あちこちに女の子を利用しようとする大人もいる。大人の選び方で、人生が180度変わることもあるんだから。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース