依光隆明
霧ケ峰のふもと、諏訪市の山中に大きなオリが設置されていた。中に約10羽のカラスがいて、大声をあげて飛び回っている。その下には動物の白骨体。まるで怪奇映画に迷い込んだような、怪しげな雰囲気だ。
上部に侵入口が開いていて、そこからたくさんの金属棒がぶら下がっている。入ることはできるが、出ようとしたら金属棒に邪魔されて出られない、という仕組みらしい。設置者を記したプレートが取り付けられていた。名義は諏訪市長。市農林課の電話番号が書かれている。
「カラスの被害がでていまして、駆除しなければいけないということで設置しました」。市農林課の担当者が説明する。「市で作りました。富士見町にあるのを見に行って。設置して2年になります。エサ? 駆除したシカです」。オリは4メートル四方。高さは3メートルほど。
同課によると、オリに入ったカラスの処分は地元の猟友会に任せているという。昨年の駆除数は他の手段も含めて27羽。同課は「オリを増やしたいとは思うんですが、設置を嫌がる方も多くて……」。場所が見つからず「困ってあそこへ持っていった」と明かす。
同市では山をねぐらにするカラスが朝から夕方まで諏訪湖畔やJR上諏訪駅周辺で飛び回り、フン害に関する市民からの苦情が出ている。猛禽(もうきん)類を使って追い払う作戦なども行ったが、成果は上がっていない。(依光隆明)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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