山下貴司議員、弾劾裁判員を辞職 岡口判事の弁護側が忌避申し立て

千葉雄高

 SNSの投稿で殺人事件の遺族を傷つけたなどとして訴追された岡口基一・仙台高裁判事(57)=職務停止中=の弾劾(だんがい)裁判で、裁判員を務めていた山下貴司・衆院議員が裁判員を辞職した。14日付。山下氏は、岡口判事の弁護側から「不公正な裁判をするおそれがある」として忌避を申し立てられていた。

 山下氏は当選4回。元検察官で法務大臣も務めた。

 弁護側の申立書などによると、山下氏は10月25日の公判で、弁護側証人として出廷した刑法学者に対し、証拠請求されていない書籍の一部を読み上げて、弁護側の主尋問でその部分に触れないのはなぜか、などと問いただした。弁護側が異議を申し立て、裁判長が質問を変えるよう指示した。

 弁護側は、中立公平であるべき裁判員として不適切だとして忌避を申し立てた。野間啓弁護士は「忌避が認められる前に辞めたということだろう」と話した。

 山下氏は、取材に対し「忌避申し立ては、法令や最高裁判例に照らして理由がないことが明らかだが、不測の訴訟遅延をもたらすことがあってはならないと考え、辞任することとした」とした。

 弾劾裁判の裁判員は衆議院参議院から各7人ずつ、計14人の国会議員が務める。検察官役の訴追委員会と弁護側の立証をもとに、訴追された裁判官の職や法曹資格を失わせるか否かの判断を担う。(千葉雄高)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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