池田拓哉
山梨県道志村の山中で見つかっていた頭の骨の一部について、県警は12日、ミトコンドリアDNA型鑑定の結果、2019年に行方不明になった千葉県成田市の小学生、小倉美咲さん(9)の母方と血縁関係にあることに矛盾はないと発表した。
骨の一部は4月23日、ボランティアで美咲さんの捜索を続けていた男性が山中で発見し、同25日に県警に通報。県警がDNA型鑑定をしたが、身元を特定できなかった。このため、県警は別の方法としてミトコンドリアDNA型鑑定を試みていた。
ミトコンドリアDNA型鑑定は、母方の血縁関係を調べることしかできず、個人の特定はできない。このため、県警は「母方の血縁関係にあることに矛盾はない」との表現をしている。
頭の骨は、美咲さんが行方不明となったキャンプ場から東に約600メートル離れた枯れた沢で見つかった。今月4日には200~300メートル上流で人の右の肩甲骨の一部が見つかり、県警はDNA型鑑定を進めている。11日にはさらに骨のようなものが二つ発見された。
骨が見つかった場所の周辺では、子ども用の運動靴や片方の靴下、黒っぽいハイネックのシャツが見つかっている。県警はいずれも美咲さんが着用していたものと特徴が似ているとしている。
県警は13日以降も捜索を続ける方針。(池田拓哉)
美咲さんの母のとも子さんがコメント公表
美咲さんの母とも子さんは12日、情報提供を呼びかけるホームページで「明日、5月13日は美咲の10歳の誕生日であり、母親としては1年で一番一緒に過ごしてあげたい日です。その前日に今回のような鑑定の結果が出て、言葉にならない想(おも)いです」などとするコメントを載せた。「今回、美咲本人と警察から断定された訳ではないので、無事に戻ってくると信じている気持ちに変わりはありません」とつづり、「新たな人骨も発見されており、今はこちらの鑑定の結果を信じ祈りながら待ちます」と結んだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル