山口県宇部市の宇部中央消防署員の男性が2019年1月に自殺した問題で、署を管轄する宇部・山陽小野田消防局は20日、当時の男性副署長(58)の言動が「自死職員の心情に対する配慮を著しく欠いた」としてパワーハラスメントと認定し、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にし発表した。パワハラが自殺の一因になったことも認めた。
署員だった松永拓也さん(当時27)が自殺し、職場のパワハラを示唆する内容の遺書が見つかっていた。
消防局によると、副署長は18年12月、松永さんから業務上の報告を受ける際に天井を向いて無視と受け取られる態度を取った▽19年1月に松永さんが火災出動前に消防車の備品を破損させた後、報告書の提出を求めながら重ねて口頭での説明を求めたといったパワハラをした。弁護士らからなる懲戒審査委員会の昨年10月の答申に基づき、処分を決めたという。
宇部市の篠崎圭二市長は20日に記者会見を開き、「住民の消防行政への著しい不信を招き、あらためておわびを申し上げる」と陳謝した。会見前には遺族に説明し、謝罪したという。
松永さんの遺族は代理人を通じ、「懲戒処分は人が亡くなっている事件に関するものとしてはあまりに軽すぎる。自死の原因となり、また自死後も不誠実な対応をしてきた消防幹部に対する不信感はぬぐえない」とコメントした。(山崎毅朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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