山口県周南市の集落で平成25年、住民5人を殺害したなどとして、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われ1、2審で死刑判決を受けた無職、保見光成(ほみこうせい)被告(69)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は11日、「執拗(しつよう)で残忍な犯行というほかなく、5名の生命が奪われた結果は重大だ」として被告の上告を棄却した。死刑が確定する。5裁判官全員一致の結論。
判決によると、保見被告は、約10年間にわたって近隣住民から噂をされたり、挑発や嫌がらせを受けたりしていると妄想を抱いて報復しようと考え、25年7月21日夜、近隣住民5人の頭などを手製の木の棒で何度も殴るなどして殺害し、2軒に放火した。
第1小法廷は判決で「犯行動機の形成過程には妄想が影響しているものの、自らの価値観などに基づいて犯行に及ぶことを選択して実行した」と指摘。「妄想が犯行に及ぼした影響は大きなものではない」と判断した。
保見被告は起訴後、精神鑑定で妄想性障害と診断された。弁護側は2審で1審に続き無罪を主張。「仮に被告が犯人だった場合でも心神喪失か心神耗弱が認められるべきだ」としていたが、2審広島高裁は「犯行当時の完全責任能力を認めた1審の判断に不合理な点はない」として、1審山口地裁の裁判員裁判判決を支持していた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース