山形の工場でクラスターか 従業員5人、同じ更衣室使用

 山形県と山形市は15日、県内で新型コロナウイルスの感染者が新たに6人確認されたと発表した。うち5人は米沢市の食品工場の従業員。この工場の感染者は計10人となり、県は工場内でクラスター(感染者集団)が発生したとの認識を示した。一方、これまでに県内で確認された感染者のうち2人はPCR検査で2回連続で陰性となり、近く退院できる見通しとなった。

 15日に感染が公表された6人はいずれも女性。米沢市の4人(60代2人、50代と40代が各1人)、高畠町の40代、山形市の40代。これで県内の感染者は49人になった。米沢市の50代女性は肺炎の所見があるが重くなく、ほかの人は軽症。

 米沢市と高畠町の計5人は、すでに5人の感染が確認されている東京都の食品会社「佐勇」の山形工場(米沢市アルカディア1丁目)の従業員。この工場に勤務する高畠町の40代女性が家族から感染し、同僚に広がったとみられる。当初は、この女性と昼食を一緒に食べた従業員らに検査を実施していたが、同じ更衣室を使っている従業員にも検査を広げ、感染拡大が判明したという。同社によると、工場は操業を自粛し、全従業員が自宅待機中だという。

 阿彦忠之・医療統括監は「仕事の前後や昼食などの休憩時間に感染しやすい『3密』の状況ができたり、同じロッカーを使っていたりして感染が広がったと考えられる」と語った。

 山形市の女性は、3人の感染が判明した市内の飲食店との関連は確認されておらず、感染経路は不明。女性は会社従業員だが、仕事上で不特定多数の人との接触はなかったという。

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 米沢市は15日に行われるはずだった中学校の入学式、16日予定の小学校の入学式を急きょ延期。中川勝市長は記者会見で「迷惑をかけ深くおわびする。感染拡大防止のため理解と協力をお願いします」と話した。(三宅範和、石井力)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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