山梨県は5日、新型コロナウイルス感染症関係総合対策本部の会合を開き、この日発表された感染者数が47人となり、過去最多を更新したと発表した。そのなかで、韮崎市内の障害者入所施設で32人が感染したクラスターも発生した。長崎幸太郎知事が会見し、障害者施設の職員も優先接種の対象とすることや、体調不良時などの適切な行動規範を県が作成して提供するなどの対策を公表した。
県によると、この施設は重度の障害者が多く利用者として入所している。利用者が50人、職員44人。これまでに、うち33人の感染が判明した。長崎知事は「利用者の健康観察を行うとともに、症状の重い患者が発生した時は、速やかに医療機関への入院調整を行うなど、万全を期す」と述べた。
今後の具体的な対策では、県立中央病院と山梨大付属病院にゲノム解析を依頼し、早期に変異株の確定をする。また、重点病院の検査機器を増設し、より多くのPCR検査の実施をしていく考えだ。
対策本部会合では、県感染症対策センターの藤井充総長が、県内では5月の連休の影響は見受けられず、首都圏などでも感染者数が落ち着き気味だったとし、「県内もこのままいくのかなと思っていたところ、非常に目立った増加を見ている」と話した。
最近の増加要因については、障害者施設以外でも集団発生の事例があることを懸念。大学生の仲間内の会合やバーでの感染が広がったケース、休みの店を開かせてカラオケをしたグループが感染した例などを挙げ、複数の感染が増えていることを指摘した。
「何らかの症状が出ても、PCR検査まで時間がかかり、その間に感染が広がるケースがある。気の緩みから会食やカラオケをし少し体調が悪くても受診を先延ばしにするそういう例のあるのではないか。基本に立ち返って感染が制御できるようになればいいと思っている」と述べた。(三ツ木勝巳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル