山田洋次監督の最新作「こんにちは、母さん」の先行上映会が15日、宮崎県日向市の市文化交流センターで開かれた。映画会社側によると、日向市での公開が日本で最も早い。監督も4年ぶりに同市入りし、市民らと一緒に鑑賞。会場を埋めた約1千人の観客から惜しみない拍手が送られた。
映画は、大企業の人事部長として神経をすり減らし、妻や娘との関係に悩む息子(大泉洋)が、母(吉永小百合)が暮らす東京の下町の実家を訪れ、老いの日々を楽しむ母や、周囲の人々と関わるうちに、見失っていたものを取り戻していく物語だ。
終了後、舞台あいさつに立った山田監督は、観客から「お帰りなさ~い」と声をかけられ、てれくさそうにニッコリ。「日向にお邪魔するようになって30年、本当に映画を楽しみにしているみなさんのための映画会で、かつてこういう風に映画はあったんだなってことを僕に思い出させてくれる」「映画を取り巻く環境が変わるなか、宮崎にくると、まだ映画への希望を失ってはいけないのだと思わせてくれる」と語った。
鑑賞した市内の自営業の女性(74)は「笑って泣いて、ほのぼのできた。映画館のない日向市でこうした上映会は貴重」と話した。
山田作品にほれ込み、最新作…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル