岐阜市の中学3年の男子生徒が転落死し、自宅からいじめ被害を示唆するメモが見つかった問題で、市教育委員会の第三者委員会が12日、初会合を開いた。いじめの実態や学校側の対応などを調べ、年内にも報告をまとめる。
この日の委員会では、いじめの実態を調べるため、男子生徒の死後、生徒が通っていた中学校で実施したアンケートの結果が示された。3年生を中心とした約200人が対象で、うち約9割から回答があったという。新たに1、2年生にもアンケートを実施することや、教員や生徒に聞き取り調査することも確認した。
市教委によると、男子生徒が亡くなる約1カ月前、同級生がいじめ被害を示唆するメモを担任に渡していた。担任は「嫌いな給食メニューを押しつける」など、内容の一部について生徒2人を指導しただけで、メモはその後、廃棄した可能性が高いという。
メモには「(男子生徒が)嫌だ、やめてほしいと話していた」などいじめを疑わせる内容も書かれていたが、担任は副主任の教諭に伝えただけで、校内で情報を共有していなかった。
男子生徒の死後には、複数の生徒から、金銭要求や暴力、トイレで土下座をさせられるなどの被害を受けていたとの情報が学校側に寄せられた。生前、学校側はこれらの情報も把握できていなかった。
また、捜査関係者によると、男子生徒の自宅から見つかったメモには、同級生から金銭要求などのいじめを受けたこと、それを苦に自殺を考えているとの趣旨の記述があったという。岐阜県警は、いじめを苦に飛び降り自殺を図った可能性があるとみて調べている。
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岐阜市の柴橋正直市長は12日、第三者委の前に記者会見を開き、「学校と市教委との情報共有、学校の初動対応など様々な問題が明らかになった」と認めた。「本市の教育は多くの問題を抱えている」とし、今秋にも医療、心理学の専門家らを交えた諮問機関「教育再生会議」を発足させ、市の教育について議論する考えを示した。(高木文子、藤田大道)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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