岐阜発祥「マクワウリ」のラーメン、高校生が開発 信長まつりで販売

 岐阜県本巣市発祥の飛驒・美濃伝統野菜「マクワウリ」を使ったラーメンが完成した。開発したのは、県立岐阜農林高校北方町)の生徒でつくる「まくわうりひろめ隊」の3年生6人だ。戦国武将織田信長も好物だったとされ、5日に岐阜市である「ぎふ信長まつり」の会場で初めて販売する。

 まくわうりひろめ隊では毎年、マクワウリを使った商品開発に取り組んでいる。このラーメン開発は、先輩たちが積み残してきた課題の一つだった。マクワウリを麺に練り込むのに苦労していた。

 今回は、本巣市で野菜などを練り込んだオリジナル麺の製造を手がける「ナガヤワークス」に協力を依頼。麺に練り込む配合を変えながら試作を繰り返した結果、15%の黄金比率にたどり着いたという。

 常温保存できるように乾麺にした。つるっとした舌触りともちもちとした食感が楽しめる麺に仕上がった。マクワウリの黄色に近い黄緑色を生かすため、スープは透明に近いあっさりした塩味にした。

 生徒たちは食品ロスの削減を意識し、栽培する際に1割ほど出る未熟果実に着目した。廃棄していたものを栽培農家から買い取り、ペースト状に加工。冷凍保存することで、年間を通じて提供できる態勢を整えた。

 「まくわうり拉麺(ラーメン)」と命名し、パッケージのデザインも考えた。信長のイラストと織田木瓜(もっこう)の家紋、岐阜農林の校章をあしらった。

 まくわうりひろめ隊隊長の坂口杏月葉(あげは)さん(18)は「先輩たちの意志を引き継いで完成させることができてよかった。食品ロスの削減にもつながり、マクワウリのことを知ってもらうきっかけにしたい。信長まつりで信長役を務める木村拓哉さんにもぜひ食べてもらいたい」と話した。

 5日は、岐阜市金町2丁目の大熊果実店の前で100袋限定で販売する。名古屋・栄の「オアシス21」内にある岐阜のアンテナショップ「ギフツプレミアム」のほか、県内の道の駅などでの販売も目指している。1袋2食入りで、価格は480円(税込み)。(松永佳伸)

マクワウリとは

 信長のほか、豊臣秀吉徳川家康も好んで食べたとされる。「御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)」には、信長は1570年から計7回にわたってマクワウリを朝廷に献上したという記述がある。岐阜農林高では、自分たちで栽培したものでアイスクリームに加工して販売している。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment