新屋絵理
SNSで不適切な投稿をしたなどとして、国会の弾劾(だんがい)裁判所に訴追された仙台高裁判事の岡口基一裁判官(55)について、弾劾裁判所は7月29日付で、裁判官としての職務を停止するとの決定を出した。停止期間は判決が出るまでだが、裁判日程は決まっていない。
職務停止できるのはどんな時?
裁判官弾劾法は「弾劾裁判所が相当と認めるときに訴追を受けた裁判官の職務を停止できる」と規定。過去に訴追された9件の裁判官はいずれも職務を停止されている。弾劾裁判所は今回の判断理由について「答えられない」としている。
岡口裁判官については刑事・民事裁判の関係者に対するSNSでの投稿が問題視され、国会の裁判官訴追委員会が6月に罷免(ひめん)を求めて弾劾裁判所への訴追を決めていた。
弾劾裁判は公開の法廷で行われ、裁判員となる14人の国会議員のうち、審理に関わった議員の3分の2以上が賛成すれば罷免となる。不服申し立てはできず、罷免と判断されれば法曹資格を失う。
岡口裁判官は、女子高生が殺害された事件をめぐる2017年の投稿で東京高裁から厳重注意を受け、この投稿に抗議した遺族について19年に「(裁判所に)洗脳されて非難している」などと書き込み最高裁から戒告処分とされている。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル