愛知県警岡崎署の留置場で2022年12月に勾留中の男性(当時43)が死亡した事件で、名古屋簡裁は、業務上過失致死罪で略式起訴された留置主任官だった元警部(46)=依願退職=に、罰金80万円の略式命令を出した。2月29日付。
男性の父親(72)は取材に「処分が軽すぎて、はらわたが煮えくりかえる思いだ。警察も検察も裁判所もお互いをかばい合って、真実をもみ消そうとしている」と憤りをみせた。今後、愛知県警を相手取って損害賠償訴訟を起こす方針だという。
名古屋地検によると、元警部は、精神疾患のある男性が保護室で約55時間飲食せず、重度の脱水症で意識障害も生じていたのにこれを看過し、わずかに水を与えるのみで漫然と放置して高度脱水による急性腎不全で死亡させたとされる。
この事件では、元警部のほか、当時の署員8人も特別公務員暴行陵虐などの疑いで書類送検されたが、いずれも不起訴となっている。
遺族「権力が好き勝手に・・・」
「ひと一人を死なせて80万円で済むはずがない。これは許さない」。愛知県警岡崎署の留置場で勾留中の男性(当時43)が死亡した事件で、業務上過失致死罪で略式起訴された当時の警部(46)=依願退職=に罰金80万円の略式命令が出た。男性の父親(72)は今後、県警の過失責任を追及するための民事裁判を起こす考えを明らかにした。
名古屋簡裁が検察側の略式起訴を不相当だと判断すれば正式な裁判となり、公開の法廷で真相解明がなされる可能性があった。今回の略式命令によってその可能性がほぼなくなった。
同簡裁が今回の命令を出したのは略式起訴された翌日だった。男性の父親は「裁判所はろくに審理しなかったのではないか。権力が好き勝手にやっていると思えてならない」と憤る。
この事件では留置主任官だっ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル