西江拓矢
勇壮なだんじりの引き回しで知られる「岸和田だんじり祭(まつり)」(大阪府岸和田市)について、今秋は開催の方向であることがわかった。2日、運営団体が明らかにした。昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に引き回しを自粛したが、今年は感染対策を徹底し、無観客実施の方向で検討しているという。
江戸時代から約300年続く祭りで、重さ4トンのだんじりが引き手とともに、路地を勢いよく回る「やりまわし」で知られる。祭りの自粛または中止は、終戦直後の1945年以来、75年ぶりだった。
祭りは、各町会から選出された「祭礼年番」による自主運営が特徴。中止が続くと祭りに向けた準備や調整の引き継ぎに支障をきたし、伝統の継承が難しくなるとして、例年と違う形でも実施の方向で進めることにしたという。
感染防止対策として、職域接種の活用も含め、希望者へのワクチン接種を進め、また、祭りの当日は、参加者への抗原検査の実施も検討。事前の集団練習を禁止し、密を避けるため、だんじりの間隔もあける。例年より広範囲に見物人の立ち入り制限を行うなど、無観客に向けて対策をとる。
「岸和田地車祭礼年番」の年番長、奥忠宏さん(56)は「伝統の継承のため、開催する。十分な対策を取ってみなが安心できるようにしたい」と話した。(西江拓矢)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル