和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件について、谷公一・国家公安委員長は20日の定例会議後の記者会見で、聴衆の避難誘導のあり方が課題だとの意見が委員からあったことを明らかにした。
谷氏は「事件は民主主義の根幹をなす選挙のさなかに敢行され、断じて許されるものではなく、強い憤りを感じる」と強調。谷氏によると、この日の会議で委員から、警察庁は会場への侵入や爆発物の投げ込みを許したことを重く受け止めて、事実を詳細に調べ、今後に生かさなければならない、との指摘があったという。
また、爆発物が投げ込まれた際に首相のそばにいた警護員が首相を守った対応は的確だったが、一方で聴衆を避難させる対応に課題があるとの意見が出た。さらに、要人警護には政治家・政党側の協力も不可欠との指摘もあったという。
ともに会見した警察庁の露木康浩長官は、「警護要則」に基づき和歌山県警が今回の警護の確認作業をし、警察庁に報告してくると説明。「どのようなことができたのかが確認の重要なポイントになる」とし、確認結果に基づき、警護に問題点があったかなどの評価を行う考えを示した。(編集委員・吉田伸八)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル