梅雨前線が活発化し、線状降水帯が発生した鳥取、島根両県では7日、記録的な大雨が続いた。避難情報で最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」や、避難指示が相次いで出された。
気象庁によると、島根県出雲市斐川(ひかわ)では7日午前4時45分までの1時間で、観測史上最高の75ミリの雨を記録した。鳥取県倉吉市でも7日午後6時40分までの24時間で327・5ミリの雨が降り、平年の7月の降水量の1・5倍を超えた。
松江市は午前6時50分、意宇(いう)川に氾濫(はんらん)の恐れがあるとして、緊急安全確保を八雲町日吉の757世帯1824人に出した。鳥取市も午後1時26分、清水川で氾濫の恐れがあるとして、吉成南町1、2丁目の697世帯、1529人に緊急安全確保を出した。
島根県のまとめでは、7日午後5時現在で松江、出雲、安来、雲南4市の計約15万世帯計約36万人に避難指示が出ている。鳥取県でも鳥取、倉吉両市と江府、三朝など6町の約5万1千世帯の計約12万2千人に避難指示が出された。
両県によると、人的被害は確認されていないものの、島根県出雲市で5棟が床上浸水、20棟が床下浸水した。鳥取県でも7棟が床下浸水した。
JR西日本によると、山陰地方では山陰線益田―東浜間、伯備線米子―上石見間、木次(きすき)線宍道(しんじ)―備後落合間などが終日運転を見合わせた。8日も運転しない可能性があるという。
松江市と出雲市を結ぶ一畑電車も終日運転を取りやめた。沿線各所で線路が冠水したり、土砂が流れ込んだりして、運転再開の見通しが立たないといい、8日も終日運休する。
大雨で避難はいつから備え、どのタイミングで行動に移せばいいのか。
5月から新たな避難情報の運用が始まっている。自治体が発表する「高齢者等避難」(レベル3)や「避難指示」(レベル4)には注意が必要だ。
「高齢者等避難」は、避難に時間がかかる人が避難を始めるタイミング。「避難指示」では、危険な場所からすべての人が安全な場所へ避難することが求められる。「緊急安全確保」(レベル5)なら、すでに災害が発生しているか、いつ発生してもおかしくない状況で、建物の上の階などに緊急避難が必要だ。
気象庁の防災気象情報は、自治体が避難情報を発表する目安や判断材料となるものだ。大雨警報(土砂災害)や洪水警報はレベル3相当。都道府県と共同発表する土砂災害警戒情報はレベル4相当、大雨特別警報はレベル5相当にあたる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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