2012年12月に中央自動車道の笹子トンネル内で起きた天井板崩落事故を受け、中日本高速道路(名古屋市)は24日、社員研修の専用施設をつくると発表した。東京都八王子市の同社支社敷地内に20年度中にも建設する。笹子トンネルの断面の実物大模型を展示するという。
崩落事故では9人が亡くなり、3人が負傷した。同社は15年に川崎市内に「安全啓発室」をつくり、これまで、グループ会社もあわせた社員約6600人が事故についての研修を受けた。しかし、事故を風化させず、社員の安全意識をさらに向上させる必要があると判断。施設をつくって社員に繰り返し研修を受けさせることにした。
施設名は「安全啓発館」。総投資額は約10億円で地上2階建て。延べ床面積は約2千平方メートル。高さ約9メートル、幅約10メートルの笹子トンネル断面の実物大模型のほか、天井板の下敷きになって亡くなった5人が乗車していたワゴン車の実物も展示する。宮池克人社長は記者会見で「展示品を活用し、安全を最優先して自律的に行動できる人材を育成したい」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル