川で発見の刃物、容疑者が同型を購入 東久留米の殺人

 東京都東久留米市の住宅で住人男性が刃物で殺害された事件で、内縁の妻の次男で同市内で別居する無職三ツ本寛己容疑者(28)=強盗殺人容疑で逮捕=が、事件後に川で見つかった両刃の刃物と同型のものを購入していたことが、捜査関係者への取材でわかった。この刃物は遺体の傷口などと矛盾のない形状という。

 7月に、男性と同居する内縁の妻らの海外旅行が11月に決まったことも判明。刃物の購入もこの頃といい、男性が1人になる時期を把握した三ツ本容疑者が、約4カ月前から事件を計画して準備を進め、殺害後に凶器の刃物を川に捨てて証拠隠滅を図った疑いがあると警視庁はみている。

 三ツ本容疑者は11月8日未明から早朝、住宅の寝室で会社員の二岡(ふたおか)一浩さん(当時55)を刃物で襲って殺害し、金品を奪おうとしたとして強盗殺人容疑で今月2日に逮捕された。調べに当初容疑を否認し、その後は黙秘しているという。

 捜査関係者によると、当日は午前2時40分ごろに自宅を出て、帰り道にコンビニエンスストアに立ち寄ってから同4時ごろ帰宅するなど、防犯カメラの捜査などで足取りが浮上。警視庁は東久留米市外の川を捜索し、この日の三ツ本容疑者の着衣と似たフード付きコートとジーンズを発見。近くで両刃の刃物も見つけたという。

 さらに、これと同型の刃物を三ツ本容疑者がネットで購入していたことを確認。購入と同じ頃、二岡さんと同居する内縁の妻とその長女が11月2~9日にイタリア旅行に行くことが決まったという。

 二岡さんは首や胸、腹などの約70カ所を刺されたり切りつけられたりし、背中まで達する刺し傷もあった。死因は失血死で、胸の刺し傷が心臓と大動脈を損傷していたという。傷口の形や刃こぼれした形跡がないことから、凶器は頑丈で厚みがあり、刀身の両側に刃がある殺傷力の高いタイプとみられている。

 三ツ本容疑者は逮捕前の警視庁の任意聴取に対し、二岡さんに「恨みがあった」と説明したという。二岡さんは約20年前から内縁の妻と交際。その子どもたちとも付き合う中で、三ツ本容疑者に暴力を振るうこともあったとの証言が妻らから出ているという。二岡さんとの同居が始まるのを機に、三ツ本容疑者は実家である現場の住宅を出て、別居を始めたという。

 現場は窓が割れ、家中が荒らされていたが、なくなったものは確認されていないという。警視庁は、三ツ本容疑者が境遇に不満を募らせ、当初から殺害を目的としながら、第三者の空き巣や強盗による犯行を偽装したとみて、詰めの捜査を進めている。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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