10日に退職届を出した静岡県の川勝平太知事が会見で、リニア中央新幹線の工事が静岡工区以外でも遅れている現状について「当初の(JR東海の)事業計画が破綻(はたん)したことが明らかになった」と発言したことに対し、大村秀章・愛知県知事は同日、「誰が言っているんだ。まさに『おまいう(お前が言うな)』だ」と語った。
川勝氏はこの日の会見で「早期開業に向けて足を引っ張ったことは一度もない」などと発言。大村氏は「川勝氏は専門家の意見にもすべていちゃもんをつけていた。実際に静岡工区の工事が6年以上進んでおらず、早期開業に力を尽くしたとは言えないんじゃないか」と反論した。
川勝氏は当初、6月県議会の冒頭で辞職する意向を示していたが、県民からの批判などを受け前倒しした。大村氏は「出処進退は政治家本人が決めるものだが、一度辞職すると言えば、いつまでいるんだという意見は出る」と分析。次の知事に「リニアの現状打開に向けて話し合い、早期着工に向け取り組んでいきたい」と期待を寄せた。(松島研人、野口駿)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル