川崎殺傷「1人で死ね」の声 類似事件や自殺誘う懸念も

 川崎市多摩区の事件で、児童ら2人を殺害し、17人に重軽傷を負わせたとされ、直後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)について、テレビ番組で「子どもを巻き込まずに、1人で死ねばいい」といった趣旨で発言する出演者が相次いだ。落ち度のない子どもたちが不意に襲われて死傷した事件だけに、同様の意見はネットでも広がった。一方、「別の自殺や事件を誘発する」として憂慮する声も出ている。

キャスターやコメンテーターが口々に

 事件が起きた28日の午後。フジ系の情報番組「直撃LIVE グッディ!」で、安藤優子キャスターが出演者に語りかけた。「社会に不満を持つ犯人像であれば」と前置きして、「すべてを敵に回して死んでいくわけですよね。自分1人で自分の命を絶てば済むことじゃないですか」。コメンテーターの北村晴男弁護士も「言ってはいけないことかもしれないけど、死にたいなら1人で死ねよ、と言いたくなりますよね」と続けた。

 同日のTBS系情報番組「ひるおび!」でも、落語家の立川志らくさんが「1人の頭のおかしい人が出てきて、死にたいなら1人で死んでくれよって、そういう人は」とコメント。ネット上でも「1人で勝手に死ね」「迷惑かけずに1人で死ねば」など、似た言葉が書き込まれていった。

「非難控えて」に賛否

 そんな状況にネット上で異論を唱えたのが、貧困者らを支援するNPO「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事。「次の凶行を生まないためにも、『1人で死ぬべき』という非難は控えてほしい」と呼びかけた。過去の無差別殺傷事件で被告が社会への恨みを募らせていた例があることを挙げ、「死ね」発言で同様の事件が起きる恐れがあるとして、警鐘を鳴らした。

 藤田さんの問題提起をめぐり、ネット上ではさらなる賛否が飛び交う。

 「テレビやネットでの『死ね』…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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