サケ(シロザケ)の産卵場所となっている北海道・知床半島の川に今月上旬、水中カメラを持って潜った。水温は11度。川底のあちこちに、息絶えたサケが静かに横たわっていた。故郷の川に戻ったサケは、子孫を残す大役を果たすとその生涯を終える。「命のリレー」をつなぎ終えた親魚たちに、自分の子どもの成長を目にする機会はない。
サケの稚魚は春に川を下り、沿岸海域でしばらくすごした後に、大海原へと旅立つ。外洋で大きく育ち、生まれて3~5年ほどで故郷の川へ帰ってくる。
知床半島・羅臼町の川では今シーズン、8月半ばごろからサケが遡上(そじょう)する姿が目立つようになった。
全長は70センチほど。メスは尾びれを使って川底の砂利を掘り、「産卵床(さんらんしょう)」を作る。
メスが卵を産むのと同時に、オスが放精する。その後、メスは再び尾びれを使って砂利をかけ卵を隠す。
ただ、おいしい「イクラ」は、ほかの魚にとっては格好のごちそうだ。産卵のおこぼれを狙って、ヤマメやオショロコマなどの魚が集まってくる。
一方、体力の限界を迎えた親…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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