7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策をめぐり、国土交通省九州地方整備局は18日、最大支流の川辺川に開閉式のゲートを備えた流水型ダムを整備する案を県などに示した。ゲートにより大雨時に水をためたり放流したりする機能を高めるとしている。
蒲島郁夫熊本県知事は豪雨後、利水を含む多目的ダムとして計画された従来の川辺川ダム計画の廃止と、治水専用の流水型ダム建設を国に求めている。国交省の案では、貯水量は従来計画の1億600万トンを維持し、利水目的だった容量をすべて洪水調節用に振り替える。18日、県庁であった球磨川流域治水協議会の第2回会合で、協議会を構成する県や流域市町村などに説明した。新たな流水型ダムの具体案を国が示すのは初めて。一方、ダム案の全体像や整備スケジュールは示されなかった。
流水型ダムは、本体下部に川とほぼ同じ高さの放流口をつくり、自然な水の流れを保つ。大雨時にはダム本体で水をせきとめて流量を減らし、洪水を防ぐ仕組み。開閉式のゲートを設置することで水量を調節しやすくするという。
国交省が所管する流水型ダムは現在5基あるが、同規模の流水型ダムは例がない。国交省は、この日の案について「まだ決まったものではない」と説明し、ダムの位置や構造などを検討するため追加の地質調査や環境調査などが必要としている。
流水型ダムの整備に加え、治水…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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