大阪府高槻市の女性への殺人と保険金詐取未遂の疑いで再逮捕された養子の高井凜容疑者(当時28)が9月、府警福島署の留置場で自殺した問題で、署員が直前の巡回や私物の点検について、やっていないのに実施したとする虚偽の書類を作成し、府警本部にうその報告をしていたことがわかった。府警が14日、検証結果を公表した。府警は署の留置管理課の男性警部補ら署員3人を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検し、署幹部ら18人を処分した。
府警によると、高井容疑者は9月1日午前7時2分ごろ、1人で入っていた留置場の居室(約5平方メートル)で、首をつっているのが見つかった。署では巡回・巡視の時刻を記載し押印する書類を作成。同6時台には7回実施したことになっていたが、実際には一度も確認していなかった。
自殺を図る前の容疑者の最終確認は、巡回とは別に同6時36分に茶を提供した時だったという。署は同6時44分に巡視し、「布団をかぶり寝ていた」とも府警本部に説明していたが、監視カメラなどを確認し発覚した。1日午前7時までの10時間に50回、巡回すべきだったが、容疑者の居室への巡回は15回だけだったという。
また容疑者が自殺に用いたとみられるTシャツをめぐっても虚偽の記録作成が明らかになった。自殺6日前の8月26日に容疑者の衣類などを収めた居室外の私物庫を確認したとする検査簿を作成。ただ実際には点検していなかった。容疑者の自殺を受けて私物庫を調べたところ、破られたTシャツが4枚あった。容疑者はシャツの裾を破った布で首をつっていた。
府警の内規では私物庫は月2回以上、点検することになっているが、実際に点検したのは別の容疑で逮捕された7月20日が最後で、8月26日は容疑者の私物について「異常なし」とする虚偽の報告書を同日に作成していたという。府警は大阪地検に書類送検した際、起訴を求める、厳重処分の意見を付けたという。
2日前に自殺ほのめかす便せん でも監視レベル上げず
調査報告書では、容疑者の監…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル