工場で「鉄板に挟まれた」5人を搬送、1人死亡、2人意識不明 大阪

 6日午前11時50分ごろ、大阪府岸和田市臨海町で、金属加工工場の作業員から「鉄板に数人の従業員が挟まれた」と119番通報があった。大阪府警によると、工場内で作業していた男性7人が負傷し、5人が病院に運ばれた。うち会社員の紺野良介さん(58)=三重県名張市赤目町檀=が死亡し、30、40代の計2人が意識不明、2人は命に別条はないという。他の2人は軽傷を負い、府警は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べを進めている。

 岸和田署によると、工場内では事故当時、19人が作業していた。工場内には、印刷関連部品の加工に使われる重さ約2トンの金属製の板が13枚、1列に並べられていた。板は縦約2・3メートル、横約9・3メートル、厚さ数十センチで、13枚それぞれが立った状態で置かれていた。

 だが、同署の調べでは、板が何らかの原因で倒れ、次々に隣り合う板が倒れたとみられる。最終的には13枚全てが地面に面する形で倒れたり、隣の板に引っかかる形になったりしたという。搬送された作業員の中には板のそばにいて、倒れてきた板の下敷きになったケースがあったとされる。

 現場は南海岸和田駅の北西約2キロにある大阪湾に面した工場地帯。事故直後から、岸和田市消防本部の消防車や救急車、府警の捜査車両が出動し、一時騒然とした。工場周辺では、「板をどうやって動かそうか」などと救急隊や警察官が大声を掛け合い、倒れた板に巻き込まれ、負傷した作業員たちの救助に当たる様子が見られた。

 現場近くの鉄鋼会社の社屋にいた男性従業員は、「工場地帯なので普段から大きな音はしているが、いつも以上に大きな音が聞こえた」と振り返った。複数のものが倒れたり、落ちたりするような音だったといい、「驚いて外に出てみると、様子を見ようとする人たちが集まっていた」と話した。

 男性の勤務先は現場となった工場と関係があり、男性は前日も工場内部の様子を見ていた。整然と並んでいたはずの金属の板は事故後、出入り口に向かって折り重なるようにして倒れていたという。

 男性は「板は大きいうえ重いため、人間の力で倒れるようなものじゃない」と説明する。工場の天井にはクレーンが設置され、作業に使われていた。「何らかの弾みで板が次々に倒れてしまうことがあったのかもしれない」と語った。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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