熊本県人吉市の県立球磨工業高校機械科の生徒たちが、伝統の和釘づくりを続けている。断面が四角になることが特徴の和釘は、大量生産の洋釘に比べて入手が難しく、高価だ。生徒たちの手で1本ずつ打たれた釘は観光船や伝統建築に使われ、地域の活気をつなぎとめている。
同校の鍛造室で、コークスが赤々と燃えていた。長さ約5センチの鉄片を赤くなるまで熱したら、「やっとこ」で挟んで金床へ。金づちで角を丸め、再び熱した後に、「エアハンマー」と呼ばれる機械でガンガンとたたいて大まかに形を整える。後は熱して、金づちでたたいてを繰り返し、最後に頭を曲げたら「舟釘」のできあがりだ。
和釘づくりをしているのは、機械科の3年生。テーマを選んで学ぶ「課題学習」の一環で、例年、春から取り組んでいる。
熱した金属をたたいて形を整えていく鍛造は、普段の授業では取り組まない内容だ。村田壮一郎さんは「エアハンマーの加減が難しい。細くならなかったり、割れてしまったりします」。強くたたきすぎると、ぺちゃんこになることも。そうなったらやりなおしだ。村田さんはこの日、一度もやりなおさず30分ほどで1本を仕上げた。
川くだりの観光船や神社のほこらにも
最初は、3時間で1本できる…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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