特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)のトップに死刑判決が言い渡され、指定暴力団・山口組(神戸市)の動向を関係者が注視している。工藤会の弱体化を見すえ、九州進出をうかがうのではとの見方も出るなか、愛知県警は名古屋市内に本部を置く中核組織に対して警戒を強めている。
福岡地裁は24日、工藤会総裁の野村悟被告(74)に死刑を言い渡した。
「いま九州に手をかけたら火事場泥棒だ。うわさも出ていない」
国内最大規模の山口組の関係者はそう語る。
ただ、山口組の中核組織「弘道会」(名古屋市中村区)出身で、山口組ナンバー2の高山清司若頭(73)は昨年10月、空路で福岡入り。福岡拘置所で約30分間、野村被告と面会したとされる。
愛知県警幹部は「判決が確定したわけではないが、新たな動きがあるかもしれない」と警戒する。
別の捜査関係者は「工藤会の組員を弘道会が預かることはありうる」と指摘する。
暴力団事情に詳しいジャーナリストは「高山若頭の動きを、みな注目している」と言う。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル