北九州市を中心に、市民に銃口や刃を向けた特定危険指定暴力団・工藤会のトップに24日、福岡地裁が死刑判決を出した。被害者の遺族や暴力団排除運動に取り組んできた人々、工藤会関係者らはどう受け止めたのか。
「司法は正しい判断をしてくれた。ほっとした。ただ、まだ節目とは思えない」。1998年に工藤会系組員らに射殺された元漁協組合長(当時70)の親族は、朝日新聞の取材にそう話した。
福岡県警が2014年9月、工藤会トップらの逮捕に踏み切った「頂上作戦」の日、北九州市小倉北区の野村悟被告の邸宅に捜査員らが入る様子をテレビで見ながら、「いよいよか」と思った。ただ「あと1年早く逮捕できていれば……」という本音もこみ上げた。
その前年の12月、元漁協組合長の弟(同70)も射殺されていた。顔をくしゃくしゃにして笑う表情が印象的だったといい、親族は「なぜ殺されなくてはいけなかったのか」という悲しみと悔しさが残っている。
県警はこの殺人事件も捜査しているが、解明には至っていない。親族は「今回の判決が他の未解決事件も含め、捜査が進展するきっかけになれば」と期待する。
ただ、判決言い渡し後、野村…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル