西堀岳路
おなかを下にしたときに頭が右向きになるのがカレイ、左向きになるのがヒラメ。これが原則のはずだが、福島県いわき市沖で1月17日、頭が左向きのカレイが見つかった。
県水産海洋研究センターが漁業調査指導船・いわき丸で漁業資源を調査中、底引き網にかかった。全長約30センチと小型のババガレイだったが、目や口の位置が本来のカレイと左右逆だった。同センターによると、小判型の特徴的な体形や小さい口、うろこの形などから、ヒラメではなく、まぎれもないババガレイという。
担当者によると、カレイもヒラメも稚魚のうちは、メダカのように口は正面、目は両側にあるが、大きくなるにつれて「顔」が体の左右どちらかに偏っていく。「その過程で、ごくまれに何らかの要因で逆になってしまう個体があるのです」
飼育研究などから、そうした「奇形種」は長生きできないため、成魚で捕獲されるのは、なおさら珍しいという。今回この「左カレイ」は、胃の内容物など様々な研究や測定に協力して解剖、解体されてしまったため、捨てるほかなかったそうだ。
ちなみに市場では「左カレイ」だからとプレミア価格がつくことはなく、味にも変わりはないのだとか。(西堀岳路)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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