星乃勇介
昭和の雰囲気を残すレトロな銭湯として知られる宮城県気仙沼市の「友の湯」(古町1丁目)で、2月1日から「ボンタン湯」が始まる。鹿児島から取り寄せた巨大なかんきつ類ボンタンを50個入れる。寒さ厳しい時節柄、少しでも温まってもらおうという心意気だ。
ボンタンは鹿児島県阿久根市の特産品。経営者の小野寺学さん(65)は数年前にもボンタン湯を実施。水色の湯船に黄色のボンタンがぷかぷか浮かび、爽やかな香りに風情が増す。当時、同市側が無償提供してくれたお返しとして、今回は自費で購入した。
友の湯は創業63年。東日本大震災では基礎や配管が壊れたものの、2週間後に再開。家を失った市民やボランティアら一日数百人の入浴を支えた。
コロナ下ということもあり、今の利用客は1日20~30人。燃料費の高騰が重くのしかかる。それでも、風呂のない近所の人たちにとっては頼みの綱だ。ボンタン湯を通して、銭湯の認知度を上げつつ、その役割を知ってほしいという思いを込める。
営業は午後3~8時で、月曜定休。入浴料は大人440円。「5千円札、1万円札はご容赦を」(小野寺さん)。ペイペイが使える。ボンタンがふやけきるまで10日間ほど続ける。通常は女湯男湯25個ずつ。問い合わせは友の湯(0226・22・2581)。(星乃勇介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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