公正取引委員会は17日、ネット広告市場に関する実態調査の最終報告を公表した。圧倒的な市場シェアを握る巨大IT企業について、利用者との契約にあいまいな部分があり、個人情報の不当な取得や利用にあたる可能性があると指摘。独占禁止法上の問題があれば、厳しく対応するとした。これを受け、政府は巨大IT企業に対する規制強化策の具体化を急ぐ。
IT企業はネット上で、検索やSNSなどのサービスを無料で提供しているが、それと引き換えに個人情報を集め、ネット広告に利用して自らの収益につなげている。
報告書では、IT企業が利用規約に記載している情報収集の手段や目的について、あいまいな部分があると指摘。規約上で個人情報の取得方法と利用目的の関係をより明確にするよう求めた。また、消費者が個人情報の利用を拒否する機能を提供することが望ましいとし、拒否したにもかかわらず広告に使った場合は、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」にあたるとした。
広告仲介業者やメディアなどと結ぶ契約についても、IT企業が内容を一方的に変更したり、理由なく契約解除をしたりする例を問題視。この場合も、独禁法上の優越的地位の乱用にあたる可能性があるとした。
検索結果表示の広告はグーグルが7割超、寡占進む
新聞などのメディアが提供する記事についても取り上げた。クリック数などによって広告枠の価値が判断されると、アクセス数稼ぎを目当てにした不正確な記事が生まれやすいと指摘。ポータルサイトで掲載される記事が、正確性や信頼性に基づき判断されるような取り組みがなされるべきだとした。また、記事の配信料の算出方法に関する情報が開示されていないことにメディアから不満が出ていることをふまえ、配信料の算定基準や根拠を明確にすることが望ましいという見解も示した。
ネット広告市場は年々増える傾…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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