差別や虐待「もう我慢しない」 不妊手術訴訟、顔を出して訴える覚悟

 旧優生保護法の下で不妊手術を強制されたとして、宮城県内に住む70代の東二郎さん(仮名)らが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、仙台高裁(小林久起裁判長)である。東さんは「同じ被害を受けた仲間が声を上げられるように」との思いから、不妊手術を受けたことを顔を出して告白し、被害を訴えている。

 「障害者には何をしてもいいのか」

 大阪市天王寺区で13日、約1200人が参加した集会。東さんは、賠償命令を勝ち取った一審・仙台地裁判決までの経過を再現した劇で、本人役を熱演した。4年余りの訴訟をたどり、最後にこう呼びかけた。

 「仲間のため、みんなで勝訴を勝ち取るんだ」

 東さんは3年前、半生をつづった書面を地裁に提出した。秋田県で生まれ、中学を卒業した後、仙台市にある知的障害者らの職業訓練施設に入所した。草花の世話や販売をしていた。

 18歳のとき、何の説明もないまま、施設の職員に入所者の仲間2人とライトバンに乗せられ、近くの診療所に連れて行かれた。看護師から「脱腸」と言われ、麻酔の注射を2本打たれ、手術を受けた。下腹部に傷痕が残った。施設の風呂で一緒になった仲間にも、同じような傷痕があった。

続いた虐待に、押し殺した怒り

 20代になり、住み込みで働…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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