東京大学は15日、ツイッターで国籍や民族を理由とする差別的な投稿をしたなどとして、大学院情報学環・学際情報学府の大澤昇平特任准教授を懲戒解雇処分とし、発表した。処分は15日付。大澤氏は同日、「処分は不当だ」とツイートした。
大澤氏は昨年11月、ツイッターに「(自身の経営する)弊社Daisyでは中国人は採用しません」「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」と投稿し、批判を浴びた。
東大は同月、調査委員会を設置。しかし大澤氏は聞き取りに応じなかったという。12月には「この度は当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します。(一連のツイートは)限られたデータにAI(人工知能)が適合し過ぎた結果である『過学習』によるものです」とツイートしていた。
東大によると、11月の投稿のほか、12月には「東大は左翼の肩を持つつもりです。共産主義の反日大学にすべきでない」「中国独裁共産党は東洋文化研究所などに入り込み、東大を支配しています」「東大は中国のスパイに侵略されつつあると言っても過言ではない」などと投稿。複数の教員や元教員の実名を挙げ、「追放し、一刻も早い浄化を」「あんなん助教レベルのカス」などとも書き込んでいた。これらの行為が、大学の名誉や信用を著しく傷つけたと判断した。
東大は15日、「このような行為は本学教職員として決して許されるものではない。国籍や民族をはじめとするあらゆる個人の属性によって差別されることなく活躍できる環境の整備を、今後も進めていく」とのコメントを発表した。
大澤氏は、AIを開発する会社「Daisy」を経営。「AI救国論」(新潮新書)の著書がある。昨年4月、東大特任准教授となり、ツイッターの自己紹介には、「東大最年少准教授(特定短時間勤務有期雇用教職員)」と書いていた。(三島あずさ、根岸拓朗、山下知子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル