武井風花
還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、宮城県警泉署は7日、仙台市泉区のアルバイト木村和信さん(70)に感謝状を贈った。
木村さんは1月上旬、区内の郵便局でATMの順番待ちをしていて、女性が電話で話しながらATMを操作しているのを見た。違和感を抱いて「どちらと電話されていますか」と声をかけたところ、女性は「(市役所の)職員と電話しているんです」。携帯画面を見せてもらうと、電話番号は東京を示す「03」から始まるものだった。
木村さんは「これは詐欺だ」と感づき、伝えた。女性はその場で電話を切って操作を止め、一緒に近くの交番に出向いた。
署によると、女性は区内の60代女性。「市役所から介護保険の還付金があるので郵便局で手続きしてほしい」という電話を受け、還付に必要な手数料だと言われて数万円を振り込もうとしていたという。
木村さんは自分を「ついつい出しゃばる」タイプだと言う。親切心から他人に話しかけてにらまれたこともあるが、今回は「声をかけて良かった」。感謝状を手渡した渡辺勇治署長は「木村さんの声かけで被害を防げた」と感謝した。(武井風花)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル