市役所の職場改革、後押ししたのは職員からの不満の声 その中身とは

 市役所の職場環境の改善に向けたプロジェクトに、東京都日野市が取り組んでいる。背景にあるのは、元幹部の逮捕などをきっかけに実施したアンケートで分かった、職場への不満の数々。さて、その中身とは――。

 アンケートは昨夏、無記名で実施。全職員が見られるネット上の掲示板で募集すると、173人が回答した。設問は四つあり、うち3問で現在の職場のあり方などに対する否定的な回答の割合が、肯定的な答えを上回った。自由記述では「有給休暇や夏休みは非常にとりやすい」「自身で仕事の進め方やスケジュールを管理できる幅が大きい」などの一方、「将来への展望が見えてこない」「人員が足りず、量をこなすので精いっぱい」などの意見も。その後の聞き取りでは、窓口担当職員から「昼食を食べられる快適なスペースがなく、車の中や公園で食べている」などの声も出た。

 きっかけは市の助成金を詐取したとして、元副市長=詐欺罪で有罪判決が確定=が逮捕された事件だった。在職中の存在感は大きく、「おかしいと思っても意見を言える人が少なく、退職後も庁内にものをいいづらい雰囲気を残した」(市幹部)。そこで改善に向けた現状分析として、アンケートをしたという。

同僚なのに「お世話になっております」

 市は改革を始めた。「『想い…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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