岩手県釜石市は26日、住民基本台帳に記載された全市民約3万2千人分の個人情報の違法取得を繰り返したなどとして、職員2人を同日付で懲戒免職にしたと発表した。市は今月11日、県警釜石署に住民基本台帳法違反の疑いで告訴した。
2人は40代の男女で、いずれも事実関係を認めている。市の調査に対し、女性職員は「特に目的はなく、情報を収集したかった」と答え、男性職員は女性に協力したと話したという。現時点では2人以外への情報流出は確認されていない。
2人に聞き取りをした市幹部によると「『何が悪いの?』という感じで罪の意識が薄かった」という。
市が確認できた分だけでも、2015年2月から計21回にわたり、メールで市民の住所や氏名、生年月日、性別、続き柄、世帯番号、収入額が記載されたデータを自宅のパソコンに送信したり、男性から女性に送ったりしていた。17年9月に送信したデータには600人分のマイナンバー情報もあった。男性の自宅にあった私物のUSBメモリーには17年以降数年分の全市民の住民基本台帳データも入っていたという。
女性はこの男性以外の複数の職員からもメールで市民の個人情報を受け取っており、市は調査を進める。
昨年9月、業務で知り得た情報を口外したり、業務時間中に大量のメールを送信したりしている職員がいると匿名の手紙が2通届き、市が調査していた。
野田武則市長は記者会見し、「個人情報の保護の任にあたるべき職員がこのような行為に及んだことは誠に遺憾。市民に深くおわび申し上げます」と謝罪した。(東野真和)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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