市民3万人の住まい再建「とにかく早く」 13年を経た元市長の反省

現場へ! 能登へ 首長の教訓②

 JR石巻駅(宮城県石巻市)の東側に、旧北上川の雄大な流れが広がる。川幅が広く、河口が近いことを実感できる。

 駅から川へ向かう途中の中心市街地を歩くと、空き地やシャッターを閉じた建物が目立つ。

 目抜き通りの楽器店は閉店したまま。向かいの空き地は、ずいぶん長い間そのままだ。

 東日本大震災で、石巻市の人的被害は被災自治体で最大だった。行政は「コンパクトでにぎわいのあるまちづくり」を掲げ、津波で被災した川沿いエリアの再開発などを進めた。だが、にぎわっているとは言いがたい。

 石巻市長を3期務め、2021年に引退した亀山紘(81)は、日課の散歩の時にいつも考えることがある。

 「中心街のにぎわいがないと、復興したと自信を持って言い切れないな」

 13年前の発災直後、それを思う余裕はなかった。

 沿岸部の家々は広範囲に津波…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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