東京都国立市の元市議、前田せつ子さん(60)が映画監督に初挑戦した。題材にしたのは、北九州市出身の環境再生医の姿。人間と自然の関係を問い直すドキュメンタリー映画だ。市議を辞職した後に一から映像について学び、約3年半かけて完成させた。作品は口コミで評判が広まり、全国各地で上映されている。
作品は『杜人(もりびと)』。当初は5館のみでの上映を予定していたが、東京・武蔵野市や大阪市など42館での上映が決まった。福岡では「天神キノシネマ」(福岡市中央区警固1丁目)で29日から8月11日まで上映予定。
きっかけは、2014年。当時現職市議だった前田さんは、国立市が高齢化した桜の街路樹の伐採を決めた計画に反対する活動をしていた。その時に、樹木の診断を依頼したのが、環境再生医の矢野智徳(とものり)さん(66)だった。
矢野さんは現地で桜を1本ずつ見て回り、こう説明した。「高さを3分の2くらいに切り詰めて、下草を生やし、低木類も植え、地面に穴を開けて空気の循環をよくすれば、まだまだ生きられる」
この言葉が前田さんたちの活…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル