福岡県那珂川市の市道をランニング中に、ぬれたこけが原因で滑ってけがをしたとして、県内の50代男性が市に1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福岡地裁であった。上田洋幸裁判長は「ぬれたこけを除去するなどの適切な措置を取らなかった」として、市に280万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2020年8月10日午前8時45分ごろ、峠にある市道をランニング中、ぬれたこけで滑って転倒。背中を地面に打ち付け、坂道を約5メートル下まで落ち、肋骨(ろっこつ)が折れるなどのけがをした。
当時、歩道わきの壁から漏れた水で歩道一帯がぬれた状態となり、約5メートルにわたって、こけが歩道の表面を薄く覆っていた。上田裁判長は、「歩道が山地を切り開いたものであることを踏まえても、舗装された歩道の表面に約5メートルもこけが広がっていることが通常であるとは考え難い」とし、「事故の発生を予見し、回避することは十分可能であり、安全性を欠いていた」と、市の責任を認めた。
市は「判決を確認していないのでコメントできない」としている。(西岡矩毅)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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