師匠・鶴瓶との実体験を元に 銀瓶「百年目」独自の演出

 芸歴32年の笑福亭銀瓶が初の大阪松竹座での独演会「噺(はなし)の会」(2月22日)で、船場の商家を舞台とする芝居噺の「蔵丁稚(でっち)」と屈指の大ネタ「百年目」を演じた。

 1席目は歌舞伎も上演される大劇場にあわせた「蔵丁稚」。芝居好きの丁稚が蔵に閉じ込められた現実と、蔵の中で演じる芝居の場面の切り替えが笑いを呼んだ。旦那の声に抑揚をもたせてリズムをつけ、話題の映画や社会風刺も盛り込んで爆笑編に仕上げた。

 師匠の笑福亭鶴瓶がゲストとして中トリで登場した。まず立ちのトークで銀瓶のマクラに応酬。自身の師匠の故・六代目笑福亭松鶴のエピソードで笑いを取った後、改めて高座に上がってその松鶴をモデルにした「癇癪(かんしゃく)」を。師弟愛を笑いと涙にくるみ、貫禄と余裕を見せた。

 トリの「百年目」で銀瓶は店では生真面目だが、外では遊び人の番頭をくっきり演じ分けた。終盤の旦那が番頭を諭すくだりに、番頭が子どもの頃に店の蔵の横のお稲荷さんに手を合わせて「家(うち)に帰りたい」と泣いた場面を加えた。番頭がお稲荷さんを大事に思う伏線を前半で張り、「お前を家に帰さんでよかった」と、しみじみと語る旦那の言葉が胸を打った。

 鶴瓶はトークのなかで、弟子の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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