鈴木智之
年末年始の帰省ラッシュが29日、ピークを迎えた。コロナ禍で移動を控える動きがめだった昨年末に比べると人の流れはやや大きくなっているが、オミクロン株の感染が広がる気配があり、帰省客らは不安を抱えつつふるさとへ向かった。
JR新大阪駅の東海道・山陽新幹線ホームは29日午前、大きな荷物を抱えた家族連れらでごった返した。JR東海によると、午前10時までの新大阪発列車の自由席乗車率は、博多方面行きの「のぞみ」が軒並み100%を超え、最大120%に達した。昨年は最大70%だった。東京方面行きの最大は昨年が30%で、今年は70%だった。
6歳の娘と愛媛県西条市に帰省する兵庫県西宮市の会社員の女性(42)は「昨年末はコロナ禍で帰れず、今年も今のタイミングを逃したら帰れなくなると思いました」と話した。
2歳の息子とともに岡山市へ向かう大阪府豊中市の会社員の女性(33)は、事前に抗原検査を受けたという。「コロナは心配だが、祖母が高齢のため会えるのが最後になるかもしれないので帰省します」
新型コロナの感染者数は流行の第3波と重なった昨年末と比べると少ないが、オミクロン株の市中感染が各地で確認されている。岸田文雄首相は年末年始の帰省や旅行について「慎重に検討してほしい」としている。(鈴木智之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル