帰省学生が“感染起点”に 「全ての管理不可能」大学担当者は苦悩 授業やバイトなく、呼び戻す親も(西日本新聞)

 新型コロナウイルスの影響で休校となった学生が、帰省先で感染を広げるケースが相次いでいる。九州でも、学生寮でクラスター(感染者集団)が確認された福岡市の専門学校生が福岡県内外の実家に戻って家族に感染を広げたと疑われる事例が発生。流行地からの帰省が感染を拡大させるとの懸念は以前から指摘されており、大型連休を前に政府や自治体は改めて不要不急の移動の自粛を強く呼び掛けている。

【データ】学生を対象にした新型コロナに関するアンケート

 学生の帰省で感染が拡大したとみられるのは、同市東区の専門学校「福岡和白リハビリテーション学院」。臨時休校を受けて7日から山口県に帰省していた男子学生が11日に現地でPCR検査を受け、感染していたことが判明した。翌日に実家の母親ときょうだい1人も陽性と分かった。同県は学生から家族に感染が広がったとみる。

 同学院では18日までに男子学生と同じ寮で暮らしていた学生を中心に計8人の感染を確認。男子学生のほか、2人も帰省先の福岡県飯塚市と長崎県で検査を受け、判明した。同学院を起点とした感染者は計10人に広がっている。

 同学院では、緊急事態宣言が発令された7日以降、学生には不要不急の外出を避けることを求めている。だが、福岡市によると寮に関係する学生77人のうち、寮に残ったのは17人だけ。22人は帰省などで市外に出ており、滞在先の自治体に健康観察を依頼している。

 学生の移動による感染拡大は全国で報告されている。京都産業大(京都市)では、卒業祝賀会などをきっかけに感染が広がり、帰省によって京都府以外に拡大。関係する感染者は50人を超えた。さらに、首都圏などから地方に戻った学生やその家族らの感染も相次いで確認されている。

 ただ、授業や部活動が中止となり、店舗の営業自粛などでアルバイト先も失った学生を下宿先にとどめておくことは困難だ。福岡県内の大学の学生指導担当者は「全ての学生の管理は不可能。『実家で栄養のあるものを食べさせたい』と地元に呼び戻す親もいる。自粛は学生の良心に任せるしかない」と頭を抱える。

 緊急事態宣言下とはいえ、大型連休中に故郷に帰る人は少なくないと予想される。安倍晋三首相はビデオ通話を使用した「オンライン帰省」を呼び掛けている。 (泉修平)

西日本新聞

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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