能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市大谷地区で3日、車両の通行が可能となり、陸上自衛隊員らが入って倒壊した家屋の下敷きになった行方不明者の捜索が始まった。自衛隊員らは、手作業でつぶれた家の中から家財道具を取りだしたり、瓦屋根をはがしたりする作業を慎重に進めていた。
大谷地区では、多くの家屋が全壊または半壊の状態になっていた。寺院も倒壊し、神社は大きく傾き、鳥居は折れて敷地に散乱していた。住民の森吉康彦さん(72)は「半壊でも、そのままでは住めない。一言でいうと全滅ですよ。高齢者が多く立ち上がれない」と話していた。
住民によると、海岸線の道路まで車が入って来られないため、犠牲者は小学校の自転車置き場に仮安置している。また、地震以降、海岸線が干上がったという。藻がついた岩が広範囲に露出し、漁港にも海水がなかった。「風景が一変してしまった。地震で隆起したのではないか」と話していた。(溝脇正)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル