平和記念資料館に「風景印ポストがあれば…」 あります、ひっそりと

 広島市平和記念資料館東館の1階に、高さ30センチほどの長方形の箱がある。情報コーナーの隅にひっそりと置かれ、足を止める来館者はいない。銀色に輝くこの箱は一体――。

 「ポストカードを受けとった世界の人々に、ヒロシマの思いを伝えてもらいたい」。資料館の滝川卓男館長が期待を込めるその箱は、「ピース・ポスト」と名付けられている。

 2006年に設置され、「ピース・メール」として同年8月6日から郵便サービスを開始した。ただはがきを投函(とうかん)できるだけでなく、風景印(消印)を押してもらえることが、サービスの目玉だ。

 日本郵便によると、印は1985年から使用されていたもので、平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑や広島城、もみじがあしらわれている。「特に子どもたちに当館を見学した感想や平和に対する思いをポストカードに書き記し、家族や友人に発信してもらう」。2006年8月のプレスリリースでは、そううたわれている。

 07年10月の朝日新聞の記事によると、サービス開始から約1年で1千通あまりが投函された。だが、近年は利用が少なくなっているという。

切手の需要減り…「知る人ぞ知る」に

 理由の一つは昨年3月、平和…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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