平和願う映画祭、池袋で9~11日 乃木坂46岩本蓮加さんも登壇へ

 戦争を描いた映画を上映し、平和の大切さを訴える「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」が9~11日、東京・池袋の新文芸坐で開かれる。12年目を迎える今回は、今年3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんと昨年3月に亡くなった俳優の宝田明さんゆかりの映画を追悼上映する。

 主催は一般社団法人「昭和文化アーカイブス」。代表の御手洗(みたらい)志帆さん(35)は「『非戦』という言葉で平和を訴えてきた坂本さんと、戦争体験がある宝田さんの平和への思いを、映画を通じて継承したい」と話す。

 上映する映画は、坂本さんが出演し、音楽も手がけた「戦場のメリークリスマス」(1983年)、宝田さんが企画、主演を務め、遺作にもなった「世の中にたえて桜のなかりせば」(2022年)など、計4本。

 例年通り、上映後には映画にゆかりのゲストを招いたトークショーも開催する。坂本さんと親交のあった雑誌編集者、鈴木正文さんや、宝田さんの遺作でダブル主演を務めたアイドルグループ乃木坂46のメンバー、岩本蓮加(れんか)さんが登壇する。

 最終日の11日には、特別企画として「戦後78年平和コンサート」がある。東京音楽大の学生有志が平和を願い、合唱。俳優の斉藤とも子さんによる朗読「いま伝えたい被爆者のこえ ある母の証言」もある。

 映画祭は御手洗さんがフリーター時代の12年に手弁当で開催したのが始まりだった。これまでには、原爆詩の朗読を続ける俳優の吉永小百合さんもゲスト出演した。

 運営は、ほぼ毎年赤字。来年の開催に向け、初めてのクラウドファンディングで、支援を呼びかけている。御手洗さんは「戦争で犠牲になった人のことを風化させてはいけない。歩みを止めず、細々とでも映画祭を続けていくことが大切だと思う」と話している。

 映画上映やクラウドファンディングの詳細は昭和文化アーカイブのホームページ(https://www.showabunka.org/)で確認できる。(小松隆次郎)

「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」で上映される映画

9日 「戦場のメリークリスマス」(1983年)

10日 「零戦黒雲一家」(1962年)

11日 「戦争と平和 宝田明の証言」(2021年)

   「世の中にたえて桜のなかりせば」(2022年)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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