平山郁夫(1930~2009)ら日本画家3人の作品を元に作られた偽の版画が流通していた問題で、真贋(しんがん)を鑑定していた専門機関・東美鑑定評価機構(東京)は31日、3人の10作品計201点の鑑定を終え、6割にあたる120点が偽物だったと発表した。
ほかにも数十点の鑑定依頼を受けており、機構は「作業を続ける」としている。被害規模が明らかになったのは初めて。
偽物が見つかったのは、平山と片岡球子(1905~2008)、東山魁夷(1908~99)の版画。全国の愛好家や百貨店が購入した画商を通じ、機構に鑑定を求めていた。結果が出た作品には真贋を確認できる特殊なシールを貼り、持ち主に返却するという。
問題が発覚したのは昨春。約40の画商でつくる日本現代版画商協同組合(日版商、東京)の会員が、真作と色合いやサインが異なる作品が流通していることに気づいた。
その後の調査で、大阪市北区で画廊を経営していた日版商会員の男性が偽物を販売していたことを認め、日版商などの調査委員会が今年3月、機構に鑑定を依頼。4月には著作権法違反などの疑いで警視庁に告発状を出した。警視庁は男性宅から押収した資料を分析するなどして経緯を調べている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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